秋田県内のA新聞で新聞配達をしている源次郎さんは、毎月の給料から約4,000円を新聞の購読料として天引きされていました。源次郎さんは新聞の購読料を取り戻すことができます。
なぜなら労働法では、給料の天引きは原則的に認められていないからです。
いままでのお話しに出てきた法律を詳しく紹介します。
従業員を説得して、給料から新聞の購読料を徴収する新聞配達店は多数あります。
雇用主は、労働者に対して、賃金はその全額を支払わなければならないと定めており、給料の天引きは原則的に認められていません。また、雇用主に請求すれば、天引きされた給料を取り戻すことができます。
ただし、法令で定められた税金や社会保険料は天引きすることが認められています。また、社宅料や親睦会費なども天引き可能です。これらは労働者の福利厚生に役立つ場合に限り特別に認められているのです。
つまり、「税金」や「労働者の福利厚生」については給料の天引きが認められています。
一方、「新聞購読料」などの労働者の福利厚生に役立たない天引きは、たとえ労使協定を結んだとしても違法です。
賃金の違法な天引きをした雇用主に対して、最高30万円の罰金刑が課せられます。
法律に基づく賃金を払おうとしない雇用主に対しては、罰金があることを伝えましょう。